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アドボカシー・マーケティング

2021.03.09 12:30 PM By 中山幸子

今回は、注目度が上がっているマーケテイング用語「アドボカシー・マーケティング」についてお話します。まず、意味はなんでしょうか?英語の"acvocacy"を調べると「擁護、弁護、弁護士業、見解を主張する」などという日本語になるようですが、少し分かりずらいので、Wikipediaも調べてみます。

アドボケイト」と同じ語源で「擁護・代弁」や「支持・表明」「唱道」などの意味を持ち、同時に政治的、経済的、社会的なシステムや制度における決定に影響を与えることを目的とした、個人またはグループによる活動や運動を意味する。


つまり、「アドボカシー・マーケティング」とは、

「お客様(購入した方)を擁護する、守る、顧客本位の考え方でいる」ということです。


この言葉自体は知らなくても、以前のブログ「CX(カスタマーエクスペリエンス)とは何か?」でも記事にした通り、「お客様に寄り添う」「購入者の満足度を徹底的に高める」という活動をしていこうという昨今の流れは感じていらっしゃるかもしれません。


一昔前「お客様は神様」などという言葉がありました。もともとは舞台の観客に向けた言葉だったはずですが、

いつしか営業の場面で「受注をとるため」「お金を払ってもらうため」に、お客様の無理な要求にも付き合いましょう

という意味合いになりました。

シンプルに言うと、目の前のお客様のご機嫌をとり、目の前の受注を取りに行く考えです。(当時からそうでなかった方もいらっしゃるかと思いますが、一般的な話としてご理解ください)


一方「アドボカシー・マーケティング」、つまり「徹底的な顧客視点」を重視しましょう、という話も、まずは目の前の一人のお客様の商品満足を高めるための活動ですが、最終的にはそれが広告以上のマーケティングになることを目論んだ視点です。つまりその一人の先にある、SNSやブログ、投稿サイト等での口コミ拡散の先にいる大勢のお客様への評価を考えた行動になるのです。


家電製品でもこのところ、購入後に購入者登録を促されたり、保証期間を過ぎてもトラブルには手厚く対応してもらったりと購入後にメーカー等との接触が続くようになったと感じる方もいらっしゃるかと思います。


また最近のニュースですと、この4月から税込み価格表示が義務化されますが、ユニクロは税抜き価格を税込み後の価格にする(つまり9%価格設定を下げる)と表明し、話題になりました。

これも「税込表示になったことにより、高くなったと感じる顧客の心理」に寄り添い、「顧客視点」で、値下げ表明をしたのでしょう。


もしかしたら裏では値札の貼り換え作業の負担や、購買落ち込みの懸念、周りが税込表示でアパレルの売上が落ち込む中でチャンスをとった、また他の新商品への価格転嫁などの調整はあるかもしれません。


それでも「顧客のためを思っています」と大々的にアピールできたことは間違いなく、日本の「アドボカシー・マーケティング」の良い事例になります。


冷静に考えてみると、

『お客様が商品を購入したことにより、商品や新しい状況に喜び満足する』

ということを追求するのは、ごく当たり前のことです。


一つのマーケティング手法として紹介されがちですが、企業が本来なすべきことをきちんとやる姿勢が問われている時代であるともいえるかもしれません。


Zoho Desk」 は、お客様からの問い合わせの状況を管理できる仕組みです。Zoho CRMと連携し組み合わせて使うことで、お客様1人1人が購入前から購入後、使用中に至るまでどんな接触があったかを一元管理することができます。


中山幸子

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