データサービスの顧客管理

インサイドセールスのマネージャーの役割 その2

2021.02.17 12:30 PM By 松丸修身

皆さん、こんにちは

前回の「インサイドセールスのマネージャーの役割 その1」ではインサイドセールスメンバーが実施する具体的業務であるナーチャリングのプロセス計画・設計についてお伝えしました。期間や方法、コンテンツは商品やサービスによって異なりますので検証を繰り返しながらベストを追求してください。

本日はインサイドセールスのナーチャリング部分だけでなく、商談やナーチャリング等の時間や質についてのマネージャーの役割、つまり注視するポイントをお伝えしたいと思います。観点としてはインサイドセールスとフィールドセールスに分割せずに営業パーソンが全工程を一人で行った場合との比較が中心となります。

・ナーチャリングのKPI

ナーチャリングには大きく2通りのやり方があります。

1つは短期間にキャンペーンやプログラムをつくってその中から商談化のクライアントを作り上げる方法で、各キャンペーンやプログラムごとにエスカレーションする目標社数を設定することになります。もう1つは長期的にナーチャリングを実施してAランク(エスカレーション)、Bランク(興味度50%)、Cランク(興味度30%)、その他(興味度30%未満)に分けて月単位でAランクを10社創出するためにB、Cランクをどこまで創出するかも注視することになります。


前者は、対象商品・サービスが明確、分かりやすい、認知度が高いといった特徴を持ち、全体の商談期間も短い商品・サービスを対象とすることが多くなります。きっかけ作りの意味合いが強いということです。一方後者は、商品というよりサービスといった世間一般に馴染みがないサービスが中心となり、本来のナーチャリングの意味合いが強くじっくりと顧客の理解を深めていくことになります。どちらを選択するかは、マーケット全体と対象商品のポジションなどを見極めながら決めていくことになります。

両者いずれの場合でもナーチャリング施策のプロセス進捗のウオッチも含めて、マネージャーの重要な役割となります。


・ニーズ顕在化した商談の質

インサイドセールスからエスカレーションされた商談の受注率を指します。当然一気通貫で実施してる営業パーソンの商談との比較も参考になりますが、やはりナーチャリングを通して顕在化された商談となりますので、商談数に対して非常に高い受注率ならなければインサイドセールスの導入の意味が問われることになります。導入初期はともかく検証を重ねてエスカレーションの基準やナーチャリングの内容を変える等により対応することになります。

また、商談の質が高ければ、フィールドセールスに引き継がれた以降の受注までの時間も短縮されることになります。一気通貫時の商談化から受注の時間と比較する検証することも質を図る手段のひとつになります。


・インサイドセールスからフィールドセールスへのスムーズな引継ぎ

引継ぎ商談の中身については上記の「商談の質」の通りとなります。ここでは引継ぎのスピード感についてお伝えします。私が関わったインサイドセールスを初めとした商談プロセスの引継ぎにおいて非常多かったことでもあります。インサイドセールスの中で顕在化したニーズ商談をフィールドセールスがすぐに対応せずに「寝かせた状態」になることが、特に導入初期の段階では頻繁に発生します。マネージャーは、停滞している商談がないか日々チェックするとともにその原因を究明して改善することは大きな役割となります。


経験上でお伝えすると、「引き継いだつもり」「見落としていた」「他が担当と思った」等のケアレスミスや思い込みなどの原因が多いと思います。こういったミスを減らすためには近年ではCRM等のアラート機能を利用し、しくみで全体周知を自動化するなどメンバーの負担なく対応できる方法も活用されています。

この続きは次回お伝えいたします。

松丸修身

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