データサービスの顧客管理

インサイドセールスのマネージャーの役割 その4

2021.03.12 12:30 AM By 松丸修身

皆さん、こんにちは

今回も引き続きマネージャーの役割として「その3」の続きをお伝えしたいと思います。

「その3」ではインサイドセールスの運用や運用にあたっての準備となります。


前回もお伝えいたしましたが、私は前職の人材サービス企業で「営業アウトソーシング」に長く携わっていました。

営業アウトソーシングではインサイドセールやナーチャリングに相当する部分のプロセスを担当・構築することも多く、その知見をもとにお伝えいたします。


前回は「営業マニュアルの作成」といった運用の全体像や受注まで行わないインサイドセールスのメンバーが見失いがちなそもそもの目的などについてお伝えしましたが、今回は運用にあたってメンバーがスムーズに業務に入れる、続けられるといった観点お伝えいたします。


1.各種トークスクリプトの作成

2.ヒアリングシートの作成

3.キックオフ(トレーニング)の開催

4.Q&A

1.各種トークスクリプトの作成

電話での対応を基本としてお伝えします。


【インバウント】

対象となる商品・サービスやインサイドセールス内のどのプロセスになるかなど前提で多少異なりますが、インバウンドはお客様からのお問い合わせが中心となります。

この場合、お客様の要望や課題、興味などが背景となりますので基本的にはお客様をすぐにフィールドセールスに引き継ぐことも想定されますので、フローチャートを使って漏れのない先方要望の確認ができるようなスクリプトを準備することとなります。新規のお客様の場合は、基本情報(企業名、部署名、担当者名、連絡先)さらに追加情報(納期や競合など)から具体的なお問い合わせ内容を入力、記入できるようにフローチャートに沿って準備が必要となります。


近年ではHPでの対応で、チャットポット(Chat Bot)も非常に普及していますので内容と手順は統一するとお客様データの整理や後工程のフィールドセールスも対応がしやすくなります。



【アウトバンド】

インバウンドとは逆にお客様の対応にテクニックが必要となります。

具体的にはお客様にプッシュ(投げかけ、興味付け、課題、要望)を行い興味度を上げたり、より深いヒアリング(キーマン、予算、競合)を引き出すことになります。

メンバー全員が一定のスキル・テクニックを身に着けることでフィールドセールスへの引継ぎ件数、受注件数に大きく影響を与えることになります。私の経験で具体的にお伝えすると、まずは基本のトークスクリプトを準備して下さい。そのトークスクリプトはインバウンドと同様にフローチャートで落とし込んでいくのですが、その際に余白・空欄スペースを大きくとって実際の業務を行い、対応する中で成功したトーク(キラートーク)や切り返しトークをどんどんフローチャートに加筆してベストのトークスクリプトを目指してください。さらに業務中に1日1~2回のミニ共有会を開催してメンバーそれぞれのトークスクリプトの成功体験を共有して下さい。1週間から1か月実施するだけで想像以上の効果が得られると思います。


2.ヒアリングシートの作成

上記インバウンドで少し触れましたが、個々の電話等の対応におけるヒアリングシートは、基本的にはトークスクリプトに沿って情報を入力・記入できるようにすること、さらには基本情報と追加情報を網羅することが重要です。

応用的に2つプラスすると以下の2つとなります。


 -キーマン(担当者)情報:フィールドセールスがクロージングに向かうにあたっての交渉相手です。

あまり主観が入り過ぎない前提でキーマンがの志向、たとえばキーマンご自身の想いや考えを貫きたいタイプ、じっくり提案を聞いて判断したいなどの情報もあると後工程では非常に役立ちます。

その他電話での連絡、メールでの連絡どちらが繋がりやすいなどのちょっとした情報も有効になります。


 -ヒアリング内容:1度の機会ですべてのヒアリングができるとも限りません。コンタクトを増やしながら徐々に情報を得ていくケースも少なくありません。現在ではクラウド型のCRMなども普及していますので、こういった営業ツールに蓄積することで一元管理も可能となります。さらにはフィールドセールスも同時に確認することができますので引継ぎシートのようなものは必要がなくなります。分析ツールも付加されていることも多いので情報分析も便利なだけでなくスピーディーに対応できます。


3.4.キックオフ(トレーニング)の開催 & Q&A

キックオフ、事前研修の内容と進め方について少し触れておきます。利用するものは「営業マニュアル」「トークスクリプト」だけで行うことができます。前段で営業マニュアルを利用し、インサイドセールスの目的(理念やミッション)と具体的な数字目標、KPIを説明し、きちんとした理解まで到達をさせて下さい。

理解まですることでトークスクリプトの理解も深まります。

その後、基本的にはトークスクリプトを利用しての実務理解と浸透のフェーズになります。


「トークスクリプトの読み込み」 → 「読み合わせ」 → 「ロールプレイング」実施(3段階程度の難易度準備)


この流れをシーン毎に徹底的に行い、この段階での想定される質問の回答や切り返しを回答通りに行ってください。


この繰り返しによって、ある程度のQ&Aは完成されます。こちらに業務経験・知識の豊富な方やインサイドセールスの知見をお持ちの方が補足してVersion1をアップして、実務に入り定期的な更新を行うと新人が入ってくるときには充実したQ&Aが完成しています。


今回含め、合計4回に渡ってマネージャーの役割と題して運用や導入のポイントをお伝えしてきました。

これからのお客様のお手伝いをする中で新たな気づきなどがあれば、皆様に発信をしていきたいと思います。

松丸修身

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