IT導入補助金2021を振り返る(その2)
筆者:株式会社データサービス 森 雅俊
公開日:2022/3/30
2022年1月26日、最後となる5次締め切り分交付決定が発表され、交付申請から次の段階に入ったIT導入補助金2021。
前回は申請について考えてきました。今回は採択率について考えていきます。|締め切りと類型から見る採択率
これはIT導入補助金2021の採択率を一覧にしたものです。
ご覧の様に締め切り分毎の総採択率に大きな違いは見られません。また同じ類型の中でも1次締め切り分とB類型を除き大きな違いは見られません。1次締め切り分は前回の考察でも述べましたが、申請テクニックの共有が図られる前と予想され、申請自体に不備があり採択されなかった可能性もあると考えています。
一方、B類型はそもそもの申請数が他の類型に比べて二桁近く少なく絶対数として比較できるサンプルの要件を備えているとは言えないと考えられます。
このB類型はC類型やD類型が補助率2/3であるのに比べ1/2と少なめになっていながら、前回にも触れました「複数プロセス」要件が4種類以上のプロセスとC類型の2種類の倍となっているなど厳しい申請要件となっていました。
筆者は、それゆえにB類型は敬遠されていたと考えています。|IT導入補助金2021が向かっていた方向とは
この類型判定チャートは「交付申請の手引き」から抜粋したものですが、この2年あまりのコロナ禍において新たなITツールを選定する際に「非対面化」を考慮しないということは考えにくく、筆者はこのチャートはC類型へ誘導しているのではないかと考えています。
とはいえ、IT導入補助金2021の策定時には、
「TOKYO2020オリンピック/パラリンピックは1年遅れながら盛大に行われるだろう」
「開発中の新型コロナウイルス感染症ワクチンや治療薬も普及するだろう」
「経済は持ち直すだろう」等々、
期待を込めた「アフターコロナ」の補助金であり「アフターコロナ」時代におけるBCP(Business Continuity Plan(事業継続計画))の一環としての「非対面化ツール」を推進したいとの思いからであったと推測します。
|withコロナのIT導入補助金2021?
しかしながら、
「TOKYO2020オリンピック/パラリンピックの無観客開催」
「ワクチン不足による接種が遅延」
「数度に渡る緊急事態宣言やまん延防止等重点措置」
となったのはご記憶に新しいところであると思います。
「アフターコロナ」へ向けて上り坂を加速して進むためのIT導入補助金2021は、「ウイズコロナ」の|いよいよIT導入補助金2022が始まります!
|いよいよIT導入補助金2022が始まります!
afterコロナは遠のきwithコロナ社会が本格的になってきました。
withコロナの中で、ウクライナ紛争とそれに伴うエネルギー問題さらには物価上昇そしてインフレ、毎年の様に天変地異による被害が発生、まさに内憂外患の様相を呈しています。
そのような経済状況でのIT導入補助金2022。例年以上に不透明な内容で進むことが予想されます。
IT導入補助金2022を活用するもしないも貴社次第。本稿が情報感度を上げて早いキャッチアップに努めていただく機会になれば幸いです。
森 雅俊(もり まさとし)
株式会社データサービス システム事業本部市場開発課
IT導入補助金支援窓口担当
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