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SDGsとインフォメーションテクノロジー その2

2021.03.30 12:30 PM By 松丸修身
皆さん、こんにちは


先日の「SDGsとインフォメーションテクノロジー」ではSDGsの考え方や様々な観点の中の「経済」「社会」「環境」の3要素の観点や「サーキュラーエコノミー」にいかにインフォメーションテクノロジー(IT)が関与・貢献できるかについてお伝えしました。私たちはSDGsの課題に対して、どう感じて何を行うかが非常に大切だと思います。

本日は「5つのP」といった観点で捉えて理解を深め、さらにはITによって関与・貢献できることをお伝えしたいと思います。「5つのP」は非常にわかりやすい観点・捉え方となっており広く知られているものとなっており、17のゴールがそれぞれの『P』に関連付けられます。

-SDGsにおける「5つのP」-

1.People【人間】

  人間が人間らしく生きるため必要不可欠な要素


2.Prosperity【繁栄】

  さらに人が豊かに生活するための社会活動


3.Planet【地球】

  人の生きる場である「地球」(環境)を守る


4.Peace【平和】

  人間らしく、さらに豊かに生活するために地球上で争いを起さない


5.Partnership【パートナーシップ】

  人、企業、国家、民族などあらゆる単位での協力を行う

これらの5つの観点で課題が整理され非常にわかりやすくなると思います。但し課題の整理や理解には分類することが重要ですが、実際の課題解決には各Pが大きく関りあうことになります。この関りについては前回の「経済」「社会」「環境」の3要素と同様となります。


この関連性については「フェアトレード」を「5P」の視点で把握して、さらにITがいかに貢献できるかを考えていきたいと思います。


「フェアトレード」

『フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易・取引のしくみ」をいいます。

コーヒー豆やカカオの生産において例が上がることが多いので見聞きしたことがあると思います。コーヒー豆が適正な価格で取引されないとどんな問題が発生するでしょう。コーヒー農園では低賃金で長時間労働等により労働者が貧困にさらされる可能性があります。また児童労働が行われると児童が教育を受ける機会も失います。視点を変えて生産効率を上げるために農薬を使うことで環境汚染や人体への影響も出てきます。さらには環境汚染や不公平な取引は争いや紛争までも引き起こす可能性があります。


ではこのフェアトレードに私たちやITはいかに関与・貢献できるか?個人レベルであれば、フェアトレードによる商品購入をすることが大前提でしょう。企業レベルやITが関与・貢献できることで考えると「フェアトレードをITによって実現する」といった壮大なテーマもありますが、コーヒー豆の生産から販売までのサプライチェーンで見ると具体性が増してきます。

「調達(生産)」- 「製造」 - 「物流」 - 「販売」の工程で見ると、ITはそれぞれの工程ですでに深く関与しています。

生産においては栽培・生産効率のためであったり、各工程の調整をITが担っているといった場面は多いと思います。今後はさらにこの動きを深めていくことも大切ですが、ITによって製造や物流のさらなる効率化によるコストダウンや利益を製造メーカーや消費者だけに還元されるのでなく、生産者にもきちんと還元できることがSDGsの真の目的となります。また還元の方法も単にお金ということではなく、生産現場や生産現場で働く人々、その子供たちへITを通しての貢献でもよいと思います。


参考資料:60分でわかる!SDGs超入門 「技術評論社」

松丸修身

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