こんにちは、
少し前になりますが「サスティナブルとインフォメーションテクノロジー」に引き続き、「SDGsとIT/インフォメーションテクノロジー」と題して将来に向けた地球規模の大きなテーマでお話したいと思います。
皆さんは、SDGsと聞くとどんなことをイメージしますか?
このSDGsは17の目標とそれに関連する169のターゲットで構成されており、環境問題から社会・経済問題まで幅広く対応しています。環境問題では「海の豊かさを守ろう」、社会問題では「貧困をなくそう」、経済問題では「働きがいも経済成長も」などが代表的な目標となっています。この一年くらいでSDGsの言葉自体はテレビ番組やCMでも大きく取り上げられているので言葉は聞いたことがあると思います。
また、SDGsは一般的には「持続可能な開発目標」と訳され、持続可能な開発とは「将来の世代のニーズに応える能力を損ねることなく、現在の世代のニーズを満たす開発」と定義付けられているようです。
現在の目標は2030年に達成を目指しており、主に環境・社会・経済の問題に対して解決が見られない場合の将来予想も広く共有されており、改善することでよりよい世界・地球を作っていくという目標となります。私たちは個人レベルで貢献できることあり、また企業や団体で貢献できることもありこちらも幅広くなります。
さらにSDGsが大きな注目を浴びているのにはもう一つ大きな理由があります。詳細は下記の「3要素」でお伝えしますが、経済活動を通して、社会問題や環境問題も解決するといった視点が含まれることです。今まで私たちは売り上げや利益のために自然破壊や環境汚染を犠牲にして経済活動を繰り返してきた歴史があります。これに対して企業は環境保全や社会問題に対して寄付やボランティア活動を行うこととでその補填を行うなどしてきました。しかしこういった活動は企業の業績に大きく左右されることが多く、非持続的な活動となることが非常に多くなります。こういったことを踏まえ、SDGsでは、企業の経済活動の中で一定の利益を上げながら、各問題の解決に取り組むことを推奨しています。これは寄付やボランティアと異なり企業の景況に左右されることなく持続可能な取り組みができることで大きな変化となっています。
後半では、SDGsとITの関わりについてお伝えいたします。
■3要素
1.経済開発
利益を求めた経済活動。
2.社会的包摂
弱者を取り逃さない。
3.環境保護
環境・自然保護
SDGsでは上記の3つの要素の調和が求められます。今まで将来に向けた活動では3要素のうち、1つないし2つをフォーカスし進められていました。SDGsではこの3要素をバランスよく追い求めていくことで将来の世代のニーズに応えることを求めています。特に1の経済開発も含めた上で、2と3の社会的包摂と環境保護のバランスを求めたことが非常に意義があるとされています。前期の通り、今まで環境保護などについて企業は寄付やボランティアとして貢献してきましたが、SDGsにおいては企業活動を通して環境保護を実現するとったビジネスモデルを求めています。
「サーキュラーエコノミー」(循環型経済)はこの一つのビジネスモデルで、通常ではゴミとして廃棄や焼却されるものを資源として他の製品などに生まれ変わることで、環境汚染やCO2排出を軽減することで注目を浴びています。ここまで理解すると、テクノロジーがSDGsに貢献できることは無限にあると理解できると思います。今ではITはインフラを支えるのに不可欠となっているようにサーキュラーエコノミーの全体的な運用や基幹的な役割を支えるのに不可欠なテクノロジーと言えます。またサーキュラーエコノミーの各プロセスにおいてもゴミの仕分け制御などITの活用領域は非常に幅広く対応が可能となります。
上記のサーキュラーエコノミーは非常に一般的なビジネスモデルであり、実用化されたビジネスもたくさんあります。
サーキュラーエコノミーのビジネスモデルの中で「IT×〇〇」とすることで新たなビジネスが生まれるこ
ともあります。さらにITと組み合わせて既存ビジネスモデルにとらわれない新たなビジネスモデルと創出することも可能となっています。大企業だけではなく中小企業もこのSDGsに注目しているのは新たなビジネスチャンスのヒントがSDGsにあると考えられているからです。
ITに関わる方でも関わらない方でも新しいビジネスモデルの創出にチャレンジしてみて下さい。
参考資料:60分でわかる!SDGs超入門 「技術評論社」